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OPPの脚本家兼出演者・にしだ哉恵のブログです。
...というか、超個人的日記アーカイブです。
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これは恋愛物と言えるでしょう!
ほんとは更に恋愛物と呼べそうな「死後の恋」にしようかと思ったのですが…、こっちの方が好きなので。

夢野久作「瓶詰地獄」。

夢野久作は皆様ご存知でしょうか?
「ドグラマグラ」という小説が代表作で、文学年表にも名前載ってるような昭和の作家です。
乱暴な言い方をすれば、耽美エログロな作風で、江戸川乱歩とともに愛好家の人も多いです。

「瓶詰地獄」は、船が拾った3通の瓶詰の手紙で構成された、無人島に漂流した兄妹の悲劇的な運命を描いた短編です。
短編というより、更に短い掌編かな。

夢野久作独特の、退廃的な華麗さで饒舌に綴られており、この短いページの中だけで、文章に翻弄され心地よく浸れます。

私の好きな、構成に工夫を凝らされた小説でもあり、ミステリ的な読み方でも非常に優れた小説です。

実は今回こそ恋愛小説をと考えて、江戸川乱歩の短編に思い当たったったのですが(人でなしの恋、とか)、乱歩は一度取り上げましたので夢野久作にしました。
…まぁどちらも、一般的に言う恋愛小説ではないんでしょうけどね。

「瓶詰地獄」は、10ページちょっとの一瞬で読める掌編です、機会があれば読んでみてくださいね。
ちなみに私の持ってるのは角川ホラー文庫の選集です。
角川ホラー文庫についてはまた取り上げるつもりですが、選集に関しては傑作ぞろい…といいますか、大御所の逸品ばかりで素晴らしいです。(まぁその代わりに?書き下ろし長編は…玉石混合ですが…)


背徳の美しさ、見てはならないものに触れようとするような胸の高鳴りを覚える久作文学の色鮮やかな短編、

「瓶詰地獄」。

本を読む人で、本当によかった!
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…なんだろ、ほんまに時間が無いです的なネタですが・笑

普通、大人って、どんな雑誌を読むんでしょう。

私も昔はファッション誌とか読んでましたが、今は美容院でぐらいしか読みません。もしくは仕事場に誰かが持ってきた時とか。

そんな私がほぼ毎号買ってるのは「オレンジページ」です。
高校生の時も買っていて、独り暮らしを始めてからまた買いだしました。
料理のレシピがおいしくてわかりやすいことはもちろんですが、私がいろんな雑誌共通で好きなのは、読者のお便り欄。オレンジページも例外ではありません。
事実は小説より奇なり、と言いますか、ほんと笑いあり涙ありで、飾りけない短文の中に様々な人生が詰まっています。しばしば抱腹絶倒しますし、ほろりとさせられます。
(そういうのを読むのが好きですので、皆様も日常であった事件などをよかったらお気軽に教えてくださいm(__*)m)


まぁ、雑誌をネタに取り上げた理由は「週刊ファミ通」という雑誌が、今日発売の号で1000号を迎えたからなんですが。(以前にも書きましたが、私は弟が超ゲーマーな影響でぷちゲーマーなんです。)
この雑誌は、めちゃ読みごたえがあるんです。特に読者の投稿ページのレベルはびっくり高すぎて感服します………ある意味。さすがにめったに買いませんが。


昔は、ファッション誌以外だとSPAとかも読んでましたねーあと日経エンターテイメントとか。

なんとなく気になるので、よく読む雑誌がある方は教えてくださいー!



あ、あと今スーパージャンプっていう隔週青年漫画誌もほぼ毎号買ってます・笑
男子かよ。



先週ブログを書かなかった、にしだ哉恵です。
自ら科した「恋愛小説」というテーマが重かったのか・笑

だって家に無いんだもの!

苦肉の策で漫画にしようかと思いましたが、家にある恋愛メインの漫画は一条ゆかり「ロマンティックください」のみ。しかも特にオススメでもない。私は好きですが。

中途半端なものを紹介するのもな…と色々考えて、選んだのがこれです。
恋愛小説ではないですが。

夏目漱石「こゝろ」。

恋愛小説なんて言ったら怒られるでしょうし筋違いですが、人間の情念や倫理感、そして愛情といった、まさしく「こころ」というタイトルにふさわしい小説です。

愛情は人間を構成する大きな要素の一つなんでしょうね。
文学ってものはすべからく愛情をなんらかの形で取り扱ってるんじゃないかと思います。

お札にもなった偉大な文豪・夏目漱石は、学校で習ったような先人たちの中でも、かなり私は好きです。
「こゝろ」と「夢十夜」は手元にあります。
「こゝろ」、学生時分に読んだという方も多いでしょうが、簡単にご紹介します。

物語は、「若々しい書生」である「私」から語られます、「私」が「先生」と呼ぶ人の話です。
厭世的に暮らし病的なほど謙虚な「先生」と避暑地で知り合った「私」は、何故か惹き付けられ、足繁に通います。
愛妻とふたり仲むつまじく暮らす「先生」ですが、常に物憂げな影があり、妻もそれを感じ気に病んでいます。
「先生」と親しくなるとともに、憂いの原因は過去の事件にあると見当をつけた「私」。
ある日、「先生」に直談判して一切を話してもらう約束を取り付けるのですが…
折り悪しく、「私」の故郷の父が危篤になり、呼び戻されます…

そんな内容の話です。
お話の構成は、「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」の三部構成になっています。

さすがお札になるだけのことはある夏目漱石、人間の心の機微をきめ細かに高潔に描き出しています。
しかも読み物としても非常によくできておりまして、精密な構成と惹き付けられる謎要素、ラストに向かう求心力があります。

いわゆる文学に対して食わず嫌いしていた私を開眼させた、ご存知夏目漱石の

「こゝろ」。

本を読む人で本当によかった!
次の企画はバレンタインがテーマですので、今日は恋愛小説を選ぼうかな、と思いました。
で、我が家の本棚を見たところ…

無いよ、恋愛小説…。

好きな恋愛小説も何冊かあるはずなんですが、手元にはありませんでした。偏ってるなぁうちの本棚。
恋愛が入ってる小説、なら大多数が当てはまると思うんですが。特にシリーズものは、登場人物のそーゆーサイドストーリーも面白かったりしますしね。

で、仕方ないから恋愛小説としても好きな本を探そうかなと思って、再度本棚を見直したところ、隅っこに埃をかぶってひっそりありました。見落としてた正真正銘の恋愛小説。

今でもあるのかなぁ、「コバルト文庫」という少女小説文庫です。
なぜか捨てずに持っていたのは「なぎさボーイ」「多恵子ガール」。氷室冴子著。

なんの変哲もないティーン向けの恋愛小説ですので特にご紹介することもないのですが、コバルト文庫、が懐かしくて。
私が小学生の時に買ったり・図書館で借りたりして読んでいた、話はいかにも少女向けでイラストに凝ったりしている、今で言うライトノベルのはしりです。

今でも覚えています、初めて買ったのは小3か4の時の「愛の迷宮で抱きしめて」藤本ひとみ著。
不細工だけど元気な主人公がいろんな事件に巻き込まれなぜか毎回イケメンにもてまくる、というシリーズです。
…すんごいテンプレですね。
でも当時は大好きでした。
今読み直してみたいかも、通称「漫画家まりなシリーズ」。

上記の「なぎさボーイ」「多恵子ガール」という2冊は、ひとつの恋模様をヒーロー・ヒロインそれぞれの視点から描いている、というちょっと面白い構成。昔から変わった構成の小説が好きだったんだなぁ私。

ちなみにこの2冊の隣には、こちらは意識して取っておいたコバルト文庫、新井素子さんの「星へ行く船」シリーズというSFがありました。
他にも色々読んだなぁ…「放課後シリーズ」とか…懐かしい。
コバルト文庫、皆様の中にも思い出がある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、もし今もコバルト文庫があったら、ホモ小説とか過激なえっち小説とかばかりになってそう…な気が。昨今の風潮から考えると。


えー、そんな訳で、なんかただの昔話になりました。次回は、まともに恋愛小説をご紹介したいと思います。考えときます。
始めに言っておきます、今日は特に長くなりました…。
年の始めということで…。
皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


深夜おっちとなんとなく長電話していて、話しました。
「変化」って、なんか淋しいねって。
人間だから、環境も心も体も、どんどん変わっていきます。どんなに居心地のいい幸せな状況でも、そこにいつまでもいられません。
自分の考えも、ひとの心も、周りの環境も。
変化って、素晴らしいことです。
刺激的でパワーと情熱に満ちた新しい可能性です。
私も何かしらの変化をたくさん積み上げて、楽しく今まで生きてきました。
でも、どんなにイイ変化でも、自分で選んだ道でも、そこには一抹の淋しさを感じます。
これは、情、でしょうか。


そんなことを話していて思い出したのが、この本です。

宮部みゆき「淋しい狩人」。

宮部みゆきさんの小説2冊めですが、てかタイトルだけなら3冊めですが、まぁそこは気分です。

舞台は東京の下町にある小さな古本屋さん。
亡くなった親友からこの店を受け継いだ店主のイワさんと、店を手伝いに来る孫の稔、それに名目上の経営者である亡き親友の息子、刑事の俊明。
こんな面々が繰り広げる、というか巻き込まれる、様々な事件を描いた連作短編です。

お話は、陳腐な言い方ですが宮部みゆきさん一流のハートウォーミングなミステリです。
語られるのは殺人であったり児童虐待であったりですし結末も明るいものばかりではありません。
でも、温かい気持ちになるのが宮部みゆきさんのすごいところです。

古本屋が舞台ということで、毎回本が出てきます。創作のものもあれば実在のものもありますが、これも面白いポイントです。
それに、短編だからこそ味わえる心地よい文章やスポットの当たらない普通の人間をくり抜く丁寧な描写…などなど、書きたいことはたくさんあるのですが、今回取り上げたのは別の理由なので置いておきます。

店を手伝うイワさんの孫の稔は、当初入学したての高校生です。
この彼が、連作中、少しずつ成長します。
お爺ちゃんと仲のいい元気な少年だった彼は、年頃なりにちょっと夜遊びが楽しくなり、そして恋をして、変化していきます。
メインのストーリーの脇でちょこっと語られるぐらいなのですが、成長していく稔に、言いようもなく淋しさを感じます。
連作小説のパーツの一つである登場人物なんだから、サザエさん的なノリで同じ場所に留まっててもいいのに!
彼はちゃんと思春期の人間として描き出されて、変化を避けて通れません。
稔が成長するということは、暗に祖父であるイワさんが老いるということでもあり、余計に淋しくなります。
祖父から離れて行った稔は、最後に仲直りらしき結末を迎え元のサヤに納まりますが、でも彼が成長して変化していくことにはかわりないのです。

サイドストーリーばかりご紹介しましたが、一話一話のお話自体も感動的だけど安直ではなく、暗く重いテーマでも明るく前向きで、味わい深いです。


リアルな現実の厳しさを優しい目でしっかり描き、心にしみる連作短編

「淋しい狩人」。

本を読む人で、本当によかった!







写真、ボロボロになってますね…。

ナニゲに前回の分のブログもちらっとupしてたりします。写真だけ。



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